最初の飾り付けのときに何枚か写真を撮っておきましょう。
記念の意味もありますが、次の飾り付けのときに飾り方を忘れないようにするためです。また、足りないものがあるかどうかのチェックにも使えます。撮った写真はプリントして、お雛様と一緒に保管しておくと良いでしょう。
印刷可能なPDFファイルを用意しております。【七段飾りの例。PDF文書】
写真画質を高くしてありますので、容量は約4.5MBと大きめです。 ご注意下さい。
Windowsの方の閲覧にはAdobe Acrobat Reader が必要です。
昔ながらの日本家屋なら座敷、床の間などと言えるのでしょうが、現代では家屋の形態も間取りも多種多様で、ご家庭により事情が異なりますので、なかなか共通の指針というのは難しいところがあります。ただ、設置場所については、二点だけ言えることがあります。
高温多湿の所と、直射日光に長時間さらされる場所は避けるということです。
なぜなら、いずれも「絹の大敵」だからです。
絹にとって最もダメージが大きくなる要因は、湿度と直射日光(紫外線)です。湿度はカビや虫食いの原因に、直射日光は変色の原因になります。
暖房や加湿器の場所を工夫するとか、カーテンをうまく利用するなど、ちょっとしたことでも効果はありますので、是非ご一考を。
関連:ひな人形の保存
次に、飾り台の上での置き方、並べ方です。ここでは基本形の七段飾りを例にとって説明します。
以下向かって左からの順序を基本に書いてあります。→参考:人形の左右について
また、人形師・工房・店舗独自に省略や追加、配置変更がなされることがありますので、その点のご留意をお願いします。
【1】 |
親王(殿・姫) |
||
【2】 | 三人官女(中央眉無し)*1、高杯 | ||
【3】 | 五人囃子 太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡 |
||
【4】 | 右大臣*2、御膳、菱台、左大臣*2 |
||
【5】 | 橘、仕丁(怒、泣、笑)*3、桜 | ||
【6】 | 箪笥、挟箱、長持、鏡台、針箱 衣裳袋、火鉢、茶道具 |
||
【7】 | 籠、重箱、御所車 | ||
*1)加銚子、三宝(京式は島台)、長柄銚子。 *2)向かって左に右大臣(若人)、右に左大臣(老人) *3)関東式は台笠、沓台、立笠を持つ。 *3)京式は箒、ちり取り、熊手を前に置く。 |
現在商品として世に出ている各種の段飾り(七段以上から親王飾りやケース飾りに至るまで)は、結局のところ、この七段の基本形から変化したバリエーションの一つだと言うことができるでしょう。
一方、歴史的に宮中や公家のひな人形が長い間男女一対のみだったことを考慮すると、逆に、親王飾りがスタンダードで、三段〜七段飾りはその派生系であるといえます。
歴史的経緯については、「ひなまつりの歴史」をご参照下さい。
上記の七段を基準にすると、三段飾りでは、七段の【1】【2】【7】を使い、
【5】の桜橘が【7】に、
【4】の菱台が【1】に移動する構成が多いようです。
五段飾りの場合は、三段飾りの構成に、七段の【3】【4】を加える場合や、蹴鞠人形や、祭列人形などを使った構成をとる場合など、商品毎に違いがあります。
ケース飾り 変則(三人官女と五人囃子が一緒) 親王飾り(平飾り)
地域により異なるのは、親王の左右の並び、官女・仕丁の持ち物です。
親王の左右は、関東と関西で異なります。→ 参照「男雛と女雛の左右」
関東は男左女右、関西は男右女左になります。関東は昭和以降広まった並びです。
官女と仕丁の持ち物が、京式は異なります。官女の中央は盃(三宝)ではなく島台を持ちます。仕丁は台笠、沓台、立傘を持ちますが、京式は箒、ちり取り、熊手を人形の前に置きます。
加筆 2009年2月5日
再構成・加筆2009年2月18日
第3節加筆2012年2月7日