雛人形は分業制
雛人形は各部品毎にそれ専門の職人さんがいます。 頭を作る「頭師」、衣裳を着つける『着付師」あるいは「振付師」が代表的です。 他には、扇子や杓、雛道具などの小道具類、屏風や雪洞、人形の胴、一刀彫の手足など、さまざまな職人さんの手が加わっています。ある意味、日本の物作りが凝縮されているといってよいかもしれません。 「人形師」というのは、これら各パーツを総合して一つの飾りを作り上げる、いわばプロデューサーとかプランナーの役割の人を指します。個人の場合もあれば、工房全体やお店の場合もあります。 平安天鳳は着付師(振付師)でもあり、人形師でもあります。 前者の立場では、他の人形師さんへ衣裳を提供し、後者の立場では、ひな飾り(セット商品)等を企画・構成しています。 |
ひな人形は、おおきな買い物です。決して安いものではないので、できれば失敗は避けたいと思うのは当たり前のことです。
とはいうものの、どこをどう見ればいいのか解らない、調べるのは苦にならないがどこから調べていけばいいものか、といった方に、ちょっとしたヒントのようなものになればと思いまとめてみました。
ここで書かれていることは、決して一方的に価値観を押しつけたりする目的のものではありません。
最終的には、お客様のライフスタイルやお好みでお選びいただくべきものですが、選択に迷ったときの参考や、購入前のおおまかな予備知識としてお使いいただれければと存じます。
ひとくちにおひな様といっても、地域の習慣や作者によって細かい違いがたくさんありますので、理解の足がかりにしやすいように、焦点を絞って説明したほうがわかりやすいと思います。
そこで、本稿での説明は、以下のように範囲と程度を絞って説明いたします。
- 対象は一般的・平均的なお客様を想定しました。*1
- 製造メーカーおよび販売店の立場で説明します。*2
- 「京式」を標準として解説。*3
- 大量生産の普及品と手作りの高級品の違いに着目。*4
*1 難しい話は避けたつもりです。逆にまわりくどくなっていたらごめんなさい。
*2 批判的に見ていただくことも大切ですので、あえて言及しておきます。
*3 関東式と違う場合は、そのつど解説いたします。
*4 特定業者の批判ではありません。両極のものを対比することで理解がしやすいからです。
同様のテーマで書かれているページがインターネット上に複数ありますので、比べてみることも良いでしょう。
弊社の記事内容に書かれていないこともあるでしょうし、弊社とは異なる視点で解説しているものもあるでしょう。また、複数のページで同じことが書かれていれば、重要な事柄だということが容易にお解りいただけるでしょう。
雛祭りやお雛様の歴史は長く、生活文化、宗教思想などの要素が複雑に絡み合い、地域地域によっても、場合によっては家庭ごとに考え方が異なります。様々な側面を持った大変奥の深いものですので、どの部分をとっても面白いテーマになるはずです。小学生の研究課題から大学生の論文まで、非常に優れた研究素材だと思います。
其の壱:織物→ |